誰でも作れるはずの料理でありながら、「家庭で作ると水っぽくなって生ハムがふやけてしまう」「大根の辛味や青臭さが生ハムの繊細な風味を邪魔してしまう」という失敗談も少なくありません。居酒屋の厨房やデリの現場で実践されている、味が劇的に変わる生ハム大根塩もみのプロメソッドを整理しました。
大根の下処理における最大の鉄則は、「重量に対して1.5%の塩」を振ることです。薄切りにした大根200gであれば、塩は小さじ1/2(約3g)。塩分が強すぎると生ハムと合わせた際に塩辛くなり、弱すぎると大根内部の余分な水分と独特のえぐみが抜けきりません。
塩を均一に絡めたら、常温できっかり5分から8分置きます。しんなりと透き通ってきたら手早く冷水で表面の塩分をさっと洗い流し、清潔なキッチンペーパーに挟んで「手のひら全体で上から押さえつけるように」して徹底的に水気を絞り取ります。雑巾のように雑にねじり絞ると、大根の美しい細胞膜が破壊され、シャキシャキとした快音を立てる食感が失われてしまうため注意が必要です。
また、大根の部位選びも極めて重要です。首元に近い上部は甘みが強く水分が多いため、スライスしてそのまま巻くオードブルに最適。一方、先端部は辛味成分のイソチオシアネートが多いため、薄切りよりも細切りにして酸味の効いたマリネ液に漬け込む仕立てに向いています。