冷血漢としてのイメージが強いサウザーだが、その残虐性の裏には胸をえぐる悲劇が潜んでいる。南斗鳳凰拳は、一子相伝の拳法として先代師父を倒すことで継承される凄惨な宿命を背負っていた。孤児だった彼を実の子のように愛し、温かく育んだ師父オウガイ。サウザーは目隠しをした継承の試練において、知らずして自らの手で最愛の師を殺害してしまう。
「こんなに苦しいのなら、こんなに悲しいのなら……愛などいらぬ!」——血を流す師を抱きしめた瞬間の慟哭こそが、愛を捨て、誰も信じない冷酷な聖帝を生み出した真の引き金だった。「引かぬ!媚びぬ!省みぬ!」という叫びは、自らの傷ついた心を守るための強烈な防衛本能であり、愛に殉じた哀しき男の悲劇的な誓いに他ならない。極悪でありながら高潔なカリスマ性を帯びる最大の理由は、この歪んだ愛の重さにある。