臨床医学・皮膚科学の現場において、迅速な処置が求められる極めて深刻な状態が蠅蛆症(ようそしょう)です。これは皮膚の難治性潰瘍や放置された傷口、あるいは自力で衛生状態を保持することが困難な高齢者の身体に、ハエが直接卵を産み付け、孵化した幼虫(ウジ)が組織に寄生する疾患です。
世界保健機関(WHO)の報告では熱帯地域や衛生環境が極度に悪化した地域での発生事例が多く報告されていますが、国内の医療・介護現場においても例外ではありません。小さな擦り傷や床ずれの処置が遅れると、わずかな隙を突いて感染が進行するリスクが存在します。