「スズメが将来、いなくなるかもしれない」――そんな話を聞いて半信半疑になる人も多いだろう。だが、レッドリストの動向を追いかける専門家たちの表情は硬い。国際自然保護連合、すなわちIUCN(国際自然保護連合)のカテゴリーにおいて、現時点でスズメ(Passer montanus)は「軽度懸念(LC)」に分類されている。地球全体で見れば、まだ即座に絶滅する危険性は低いとみなされているからだ。
しかし、国内に目を転じると景色は一変する。日本の環境省が公表しているレッドリストでは、現在のところ絶滅危惧種への指定こそ免れているものの、現場の生態学者は「指定前夜の警戒レベル」と口をそろえる。局所的な個体数の激減ペースがあまりに急激なためだ。このまま推移すれば、そう遠くない将来にカテゴリーの見直しが現実味を帯びてくる。