言葉の誕生は、偶然と悪ノリが交差した瞬間に起きた。1980年代半ば、ホラー界の奇才ダン・オバノン監督が放ったカルト的ゾンビコメディ『バタリアン』が日本で劇場公開され、映画館をパニックと笑いで包み込む。頭部を破壊されても死なず、「脳みそをくれ」と叫びながら猛然と人間に襲いかかる不死身のゾンビたち。その獰猛で容赦のないエネルギーが、当時の街頭で見られた一部の中年女性の図々しさと奇跡的にリンクしてしまった。
「どんなに叩かれてもビクともしない」「他人の都合など意に介さず突き進む」。この共通項に着目し、「オバサン」と「バタリアン」を力技で掛け合わせた造語が誕生する。理屈を超えた語感の鋭さは、瞬く間に口コミで浸透していった。映画の持つおどろおどろしくもどこか滑稽なアナーキーさが、日常の風景に潜む無敵の女性たちと重なり合った瞬間だった。