1996年の春、フジテレビの「月九ドラマ」枠で放送された『ロングバケーション』は、単なる人気番組の域を超え、日本全体のライフスタイルや価値観にまで影響を与えた。脚本家・北川悦吏子が生み出した繊細でリアルな台詞回しは、当時の若者たちの心情を鮮やかに描き出し、月曜日の夜には街から女性たちが消えるとまで噂されたほどだ。
洗練された映像美と都会的なサウンドトラック、そして何より主役の二人が醸し出す圧倒的なリアリティ。これまでの日本のテレビドラマにおける「恋愛ドラマ」の概念を根底から覆した本作は、放送から30年近くが経過しようとする現在でも、不滅の最高傑作として語り継がれている。