キャンパーの間でまことしやかに囁かれてきた「山谷産業によるスノーピーク製品のOEM製造疑惑」ですが、結論から言えば両社に直接的なペグのOEM受託・発注関係はありません。
この噂が生まれた背景には、いくつかの地理的・産業的な要因が絡み合っています。まず、両社がともに新潟県三条市に本社を置く企業である点です。スノーピークは1958年に金物問屋として創業し、1995年に過酷な地盤でも打ち込める画期的な鍛造ペグ「ソリッドステーク」を発売しました。これは地元の鍛造工場とタッグを組んで生まれた歴史的名作です。
一方の山谷産業は1979年に金物卸として創業。2000年代以降に直販ECショップ「村の鍛冶屋」を開設し、地元の鍛造工場とともに2012年に「エリッゼステーク」を独自開発しました。どちらも同じ燕三条エリアの熱間鍛造技術(金属を約1,100℃まで加熱してプレス成形する技術)を採用しているため、「同じ工場で作られているのではないか」「下請け関係にあるのではないか」という憶測が広まりました。
実際には、それぞれが異なる開発思想とパートナー工場を持ち、独自の製品哲学に基づいてギアを供給しています。下請けと発注元という上下関係ではなく、同一地域の高度なサプライチェーンを活用して競い合う健全なライバル関係というのが実態です。