こうした未曾有の荒波に直面し、業界全体で推し進められているのが「100均事業構造改革2026」と呼ばれる戦略的再編である。株式会社セリアのトップである河合幸有氏らが推し進めてきた徹底したPOSデータの活用や効率的店舗運営は、これまで同社の高い粗利益率を支える屋台骨であった。しかし、現在のマクロ経済環境の下では、従来の経営効率化だけで吸収できる許容量を超えてしまっている。
株式会社セリアが下した不採算店舗のスクラップ&ビルドという決断は、単なる守りの退縮ではない。限られたリソースを成長領域や集客力の高い立地に集中させ、ブランド全体の利益率を再構築するための冷徹な攻めの判断とも言える。100円の品質を守り抜くためには、時に痛みを伴う撤退すらもいとわないという強力な意志がそこには透けて見える。