明治のサイコロキャラメルが世に送り出されたのは、昭和が始まって間もない1927年(昭和2年)10月のことです。「お菓子を食べながら遊べる」という画期的なコンセプトと、赤地に白のダイス柄という秀逸なグラフィックデザインは瞬く間に子供たちの心を掴み、昭和から平成にかけて遠足や旅の定番おやつとして不動の地位を築きました。
しかし、時代とともに菓子市場の勢力図は大きく変化します。1990年代以降、グミやタブレット菓子、機能性チョコレートといった新ジャンルが台頭し、キャラメル市場全体が激しい縮小傾向に直面しました。サイコロキャラメルの売上推移は、ピーク時であった昭和後期から2010年代半ばにかけておよそ5分の1にまで激減。ブランドの知名度は圧倒的でありながら、日常的に購入する消費者が減少するという構造的な課題を抱えていたのです。
製造元であった株式会社明治は、菓子事業のポートフォリオ見直しと生産効率化を進める中で、2016年3月をもって全国向け生産を終了(同年6月に店頭出荷終了)することを決定しました。実に89年間に及ぶサイコロキャラメルの歴史に一旦のピリオドが打たれた瞬間でした。