デジタル処理が主流となった現代の音楽産業において、60年代前半の生々しいアコースティックサウンドがなぜこれほどまでに若い世代を惹きつけるのか。ソニー・ミュージックエンタテインメントをはじめとする主要レーベルも、アナログ時代が生み出した普遍的な音響構造の再評価に乗り出している。
トラックメイキングで完璧に補正された音とは対照的に、マイク一瞬の揺らぎやギターのフレットノイズには、人間の生身の感情が宿る。SNSやストリーミングプラットフォームを通じて若年層がアコースティック・フォークの原点に触れ、熱狂する現象は、本物の表現が持つ時代を超越した力を力強く裏付けている。