作品を牽引したのは、間違いなく主役を演じたふたりの圧倒的な魅力だ。SMAPのメンバーとしてすでに絶大な人気を誇っていた木村拓哉が演じたのは、ピアノコンクールで伸び悩む繊細なピアニスト・瀬名秀俊。一方、山口智子が演じたのは、結婚式当日に新郎に逃げられたサバサバとしたモデル・葉山南。この対照的なふたりがひょんなことから同居生活を始めるという設定が、当時の視聴者の心を鷲掴みにした。
脚本を手掛けたのは、「ラブストーリーの神様」と称される北川悦吏子である。「神様がくれた長い休み(ロングバケーション)」という劇中のフレーズに象徴されるように、人生の停滞期を温かく包み込む言葉の数々は、傷ついた若者たちの心に深く響いた。型にはまらない王道の恋愛ドラマでありながら、登場人物たちの掛け合いはどこまでも自然体でみずみずしい。二人のあいだに漂う空気感、ふとした視線の交わし合い——カメラが捉えた一瞬一瞬が、平成を代表する名シーンとして刻まれた。