北金ヶ沢の大銀杏は、単なる景勝地にとどまらず、地域の人々に長年守り継がれてきた神聖な御神木でもあります。推定樹齢は1000年以上。平安時代の昔からこの地に根を張り、数々の風雪に耐えてきました。その学術的・景観的価値の高さから、2004年には国の天然記念物に指定されています。
この巨木を間近で見上げると、太い幹や枝から無数の気根(きこん・鍾乳石のように垂れ下がった突起)が伸びていることに気づきます。その姿が女性の乳房に似ていることから、古くより「垂乳根(たらちね)のイチョウ」と親しまれてきました。
現地には「母乳の出が悪い女性がこの気根に触れて祈願すると、豊かな母乳に恵まれる」という民間信仰が今なお息づいており、安産祈願や子宝を願う参拝者が全国から訪れています。