本作『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』がこれほどまでに観客の心を捉えて放さない理由は、制作陣の異色とも言えるタッグにある。監督を務めた高橋渉は、シリーズの持つ温かみと日常のグルーヴを熟知した演出家だ。そこに劇団☆新感線の座付作家として名高い中島かずきによる、エッジの効いた脚本が融合した。
シンエイ動画株式会社と東宝株式会社の強力なタッグにより送り出された本作は、ギャグの皮をかぶりながらも、社会風刺と本格的なアクションを高次元で昇華させた。巨大ロボットのバトルシーンで見せる躍動感と、ふとした瞬間に漂う哀愁。この対比こそが、観客を劇中の世界観へ一気に引き込むのだ。