予算削減と忖度文化の犠牲となったのが、本来メディアの真骨頂であるべき「調査報道」だ。権力の不正を長期間かけてあぶり出す調査報道は、現在のテレビ局や新聞社において「投資対効果の低いリスク行為」とみなされがちである。デスクや経営陣の顔色を伺いながら企画が潰されていく事例は後を絶たない。
しかし、既存メディアの枠組みを超えた新たな動きも生まれている。テレビでは放送できない政治の生々しい実態やメディアの不都合な真実を描いた「政治ドキュメンタリー」映画が、単館系映画館を中心に異例のヒットを記録する現象が起きている。大手メディアが報じない真実を求める視聴者が、自ら入場料を払ってスクリーンに向かう姿は、日本の市民社会における情報への飢餓感を鮮明に映し出している。