再審無罪判決の確定に伴い、SNSや各種コミュニティでは司法への不信感と未解決の真相に対する激しい議論が巻き起こりました。ネット上の反応を定性分析すると、読者や市民の声は大きく3つの論点に集約されます。
第一に、「58年間もの人生を奪った捜査機関の刑事責任はどうなるのか」という国家権力への怒りです。静岡県警本部長や検事総長による直接の謝罪は行われたものの、「捏造に関与した当時の警察官や検察官は全員鬼籍に入っており、法的責任追及が不可能なのは理不尽だ」という声が多数を占めています。
第二に、「被害者遺族にとって事件は未だ終わっていない」というやるせなさです。誤った捜査によって真犯人の追跡が初動で放棄された結果、一家4人を惨殺した真犯人は時効の壁に守られ、一度も裁かれることなく社会で天寿を全うした可能性が極めて高いためです。
第三に、姉・袴田ひで子さんの献身的な闘いに対する深い敬意です。90歳を超えてなお弟の無実を信じ、全国を飛び回って支援の輪を広げ続けたひで子さんの存在がなければ、この無罪判決は決して存在しませんでした。現在、浜松市内の自宅で穏やかな日々を取り戻しつつある巌さんとひで子さんの姿に、多くの人々が安堵と感動の声を寄せています。