朝井リョウ原作の映画『何者』では、SNSで他人の進捗を横目に見つつ、裏で自他を切り刻む就活生のリアルな葛藤が鮮烈に描かれた。あの作品が突きつけた「他者から評価される恐怖」は、現代の就活において、親という最も身近な存在からの視線によってさらに倍増している。
かつてはリクナビやマイナビを開いて手探りで情報収集をしていた時代から一転、現在はOpenWorkなどの社員クチコミサイトや各種SNSにより、企業のリアルな情報が瞬時に手に入る。情報が透明化したからこそ、親世代が知る「昔の有名安定企業」の概念と、学生が求める「現代の働きやすさ」との間に決定的なズレが生じる。親から「そんな聞いたこともない会社で大丈夫なのか」と一蹴されるたび、学生の心には深い傷が刻まれていく。