境内は驚くほどコンパクトだ。間口は狭く、足を踏み入れれば数歩で拝殿の前に至る。しかし、漂う空気の純度は明らかに周囲のオフィス街と一線を画している。主祭神として鎮座するのは、五穀豊穣と産業繁栄を司る倉稲魂神(うかのみたまのかみ)。古くから商人の街として栄えた日本橋の経済活動を見守り続けてきた神霊だ。
加えて、相殿には市杵島比売神(いちきしまひめのかみ)が祀られている。弁財天と同体とされる水の神であり、芸能や財運を授ける存在として名高い。さらに、健康長寿と福徳を授ける福禄寿も合祀されており、日本橋七福神巡りの重要拠点としても名を知られている。これら三柱の神々が凝縮された神域だからこそ、授与される品々に宿る霊威もまた格別なものとして受け止められている。