ファーム個人成績で首位打者や最多勝争いをしていても、必ずしも一軍に呼ばれるとは限りません。現代プロ野球における一軍昇格条件は、単なる打率や防御率の高さ以上に「一軍のチーム事情に即座にフィットするかどうか」が重視されます。
代打の切り札として一打席で結果を出せる選球眼があるか、終盤の守備固めや代走でミスなく仕事を遂行できるスペシャリスト適性があるかどうかが問われます。首脳陣は二軍監督からの推薦をもとに、数字の裏にある「走塁の意識」「カウント別の対応力」を細かくチェックしています。
また、育成選手にとって運命を分ける最大の関門が、毎年7月31日に設定されている「支配下登録期限」です。この日を過ぎると、どれほど二軍で圧倒的な数字を残していてもそのシーズンの一軍公式戦には出場できません。球団の支配下登録上限(最大70名)の空き枠を巡り、春先から7月末にかけて若手選手たちの熾烈なデッドヒートが繰り広げられます。