日本の加工食品産業における技術革新は、世界に誇るレベルへ達している。1968年に誕生した世界初の市販用パウチカレー「ボンカレーゴールド」以来、レトルト食品は常温長期保存という利便性を柱に成長を遂げてきた。しかし、現在の技術が目指すのは保存性だけではない。
最新の殺菌設備は加圧加熱時の熱劣化を極限まで抑え、スパイスの揮発性香気成分を閉じ込めることに成功している。油脂の乳化技術や具材の食感を維持するレトルト殺菌法の改良により、従来は再現困難とされたスパイスのフレッシュ感や、ホロホロと解ける肉の繊維感がそのままパウチの中に再現されるようになったのだ。