水族館で人気を二分するシャチとイルカですが、生物学的な分類では実はどちらも同じクジラ目マイルカ科に属しています。大まかな違いとして、成体の体長がおよそ4メートルを超える大型の種を「クジラ(シャチ含む)」、それ未満の比較的小型な種を「イルカ」と呼び分けているに過ぎません。
しかし、シャチには他のイルカ類と一線を画す際立った特徴があります。それは「極めて高度な知能」と「強固な母系社会」です。野生のシャチは母親を中心とした「ポッド」と呼ばれる家族群を形成し、狩りの技術や独自の方言(鳴き声のパターン)を親から子へと何世代にもわたって継承します。
水族館でトレーナーとシャチが見せる阿吽の呼吸や、仲間同士で遊ぶような仕草の背景には、こうした卓越した認知能力とコミュニケーション能力が存在しています。