聖地巡礼の起点は、東武伊勢崎線の足利市駅、あるいはJR両毛線の足利駅だ。橋の北詰、堤防の遊歩道沿いに歩みを進めると、堂々たる佇まいの歌碑が姿を現す。御影石で作られた碑の脇にあるボタンを押すと、澄み渡るメロディと歌声が土手に響き渡る。吹き抜ける川風とともに聴くその音色は、イヤホン越しに聴く音楽とは全く異なる臨場感で胸に迫る。
歌詞に登場する「八雲神社」への参拝も欠かせない。市内には複数の八雲神社が存在するが、森高がイメージしたとされる緑町の八雲神社は、2012年の火災によって社殿を焼失する悲運に見舞われた。しかし、全国のファンや市民、そして森高自身の支援によって見事な再建を果たし、今では再生と絆の象徴として静かに参拝者を迎え入れている。境内には再建を祝う記念樹が青々と葉を茂らせ、往時と変わらぬ神聖な空気が漂う。
巡礼のクライマックスは、何と言っても黄昏時だ。渡良瀬川の土手を南側へ少し下り、橋の全景と赤城山方面の山並みが重なるポイントに立つ。太陽が山影に沈み、空がオレンジから深い紫へとグラデーションを描くほんの十数分間。歌詞そのままの情景が目の前に広がる瞬間、訪れた誰もが言葉を失い、ただ静かにシャッターを切る。