それまでの指名手配ポスターといえば、「指名手配」「情報提供をお願いします」といった定型的な文言が並ぶものが一般的でした。その固定観念を根底から覆したのが、徳島県警が2004年に世へ送り出した「おい、小池!」ポスターです。
企画・制作を主導したのは徳島県警の捜査幹部らでした。長期化の様相を呈していた捜査に風穴を開けるべく、「一般の通行人の足を止めさせ、容疑者に心理的圧迫を与える」という明確な狙いのもとに考案されました。刑事ドラマのワンシーンを彷彿とさせるタメ口のキャッチコピーは、広告のプロではなく現場の捜査員の執念と危機感から生まれた言葉でした。
赤地に黒文字のインパクト抜群な初代バージョンを皮切りに、その後は時代に合わせて多様なバリエーションが制作されました。劇画調のイラストを取り入れたものや、文字のレイアウトを変更したバージョン、さらには全国の警察施設だけでなくネット空間でも広く拡散され、指名手配広告の歴史を大きく変える契機となりました。