日本のトイレ文化を語るうえで、TOTO株式会社が世に送り出した「ウォシュレット」の登場は画期的な転換点であった。温水で洗浄し、暖房便座で冬場の冷たさを解消する技術は、世界中の衛生環境概念を塗り替えたと言っても過言ではない。現在では、電化製品としての多機能化が進む一方で、電力を一切消費しない非電化のO型便座を選ぶ層も一定数存在する。
電気代の高騰や環境負荷への意識が高まる中で、電源を必要としないシンプルな構造の魅力を再評価する動きがある。別荘やゲストハウス、防災用の予備設備として、電気トラブルと無縁な普通便座が重宝される理由はまさにここにある。