劇的なブレイクを経て、彼女が選んだ道は声優や映画主演を通じた表現の探求だった。アニメーション映画『この世界の片隅に』では、戦時下を健気に生きるヒロイン・すずの声を吹き込み、国内外の映画賞を総なめにする快挙を達成。声だけで喜怒哀楽のグラデーションを見事に描き出し、役者としての底力を証明してみせた。
さらに、綿矢りさ原作の映画『私をくいとめて』では、脳内に相談役を持つアラサー女性の繊細な揺れ動きをリアルかつユーモラスに好演。実写映画でも比類なき存在感を放ち、単なる「元朝ドラヒロイン」という枠組みを軽々と飛び越えてみせた。ビジュアルの美しさだけでなく、作品ごとに異なる表情を見せる演技力こそが、彼女の息の長い人気の源泉と言える。