長年にわたり高齢者の病気と考えられてきた大腸がんだが、その常識は過去のものとなりつつある。国立がん研究センターが発表した統計分析によると、子宮頸がんや乳がんと並び、若年層女性における消化器系がんの発症率の上昇傾向が顕著になっている。
この異変の裏には何があるのか。日本癌学会の最新学術集会でも熱い議論が交わされた。研究者が指摘するのは、食生活の欧米化だけではない。超加工食品の摂取頻度増加や長時間におよぶデスクワーク、睡眠不足に伴う腸内フローラの乱れが、腸粘膜に慢性的な微細炎症を引き起こしている可能性が高い。
さらに、若年性大腸がんは遺伝的要因や女性ホルモンのバランス変化との関連性も指摘されている。20代・30代の女性は仕事や子育てに追われ、自らの体の変化を後回しにしがちだ。「自分はまだ若いから大丈夫」という過信が、結果として発見の遅れを生んでいる。