境内の入口に立つ鳥居は、一般的な鳥居とは大きく構造が異なる「三ツ鳥居(三輪鳥居)」です。中央の大鳥居の両脇に小さな脇鳥居が2つ連なった極めて珍しい神明・明神鳥居の変形型で、全国的にも奈良の大神神社や埼玉の三峯神社など限られた社寺でしか見ることができません。
三輪神社の三ツ鳥居には独特のくぐり方(作法)が存在します。中央から入って左の鳥居をくぐり、中央へ戻って今度は右の鳥居をくぐり、再び中央を抜けるという「8の字(無限大の軌跡)」を描いて参拝することで、ご利益が3倍になるという言い伝えがあります。古来より三輪信仰における強力な結界と清めの儀式として受け継がれてきた神事作法です。
本殿の横に広がる絵馬掛けには、うさぎの顔を象った絵馬に丁寧なメッセージが記された「三輪神社の絵馬(推し活祈願)」が無数に奉納されています。絵馬に綴られているのは、単なる自己利益の追求だけではありません。「推しの健康とツアー完走祈願」「舞台の成功と素晴らしい演技が見られますように」といった、対象への純粋な利他的愛情と敬意に満ちた言葉が目立ちます。心理学的に見ても、祈りを言語化して神前に掲げる行為は、ファン自身の精神的安定と肯定感を高める重要な自己受容のプロセスを果たしています。