なぜ名詞の「tab」が「見張る」という意味に結びつくのか、そのルーツは19世紀後半のアメリカの酒場(バー)文化に遡ります。
英語の「tab」は、集計表や小切手を意味する「tabulation」の短縮形であり、バーで飲み代を後払いにする際の「ツケの伝票(bar tab)」を指していました。バーテンダーは客が飲むたびに伝票へ杯数を書き込み、誰がどれだけ飲んだかを逐一記録・管理していました。
この「客の飲み食いを伝票(tab)で漏れなく監視・記録する行為」から転じて、「対象の行動や出費、動向を逃さずチェックし続けること」を「keep tabs on」と呼ぶようになりました。現在でも英語で「Keep a tab open(ツケにしておいて)」と言うように、記録をつけて管理するという原義がそのまま現代のイディオムに息づいています。