現代のグローバルな映画産業およびエンターテインメント業界において、観客の目が肥えてきたことは紛れもない事実である。分かりやすい勧善懲悪のストーリーラインだけでは、多様化する視聴者層を満足させることは困難になった。
興行収入の成功を握る鍵は、観客の記憶に長期間残り続ける「印象的な悪役」を作れるかどうかにある。業界のプロデューサーや脚本家たちは、正義のヒーロー以上に悪役の造形とセリフの磨き上げに時間を投資するようになった。悪役が語る動機や社会批判が説得力を持てば持つほど、作品の作品的価値と商業的成功は跳ね上がる。悪役のセリフは今や、作品のブランディングにとっても戦略的な核となっている。