長池公園のランドマークである「長池見附橋」には、日本の近代化を象徴するドラマチックな歴史が刻まれています。この橋はもともと、大正2年(1913年)に現在のJR四ツ谷駅の上に架けられた旧「四谷見附橋」でした。
設計を手掛けたのは、迎賓館赤坂離宮の建設にも携わった当時の名匠たち。フランス・パリのセーヌ川に架かる名橋「アレクサンドル3世橋」をモデルにしたとされ、ネオ・バロック様式の装飾灯具や優美な高欄が特徴です。その後、道路の拡幅工事に伴い撤去される運命にありましたが、その歴史的・芸術的価値を惜しむ声が高まり、多摩ニュータウン開発のシンボルとして1993年に長池公園へ移築・復元されました。
解体時には部材の一つひとつに番号が振られ、往時の姿を極めて高い精度で再現。現在では八王子八十八景や東京都の歴史的建造物にも選定されており、100年以上の時を超えてなお、訪れる人々に当時の職人技と近代建築の息吹を伝えています。