高専のもう一つの大きな武器が、「国立大学の工学部・情報学部3年次への編入ルート」です。通常、高校生が東京大学や京都大学、東京科学大学(旧東京工業大学)、大阪大学などの難関理系を目指す場合、共通テスト(5教科7〜8科目)と過酷な2次試験を突破しなければなりません。しかし、高専からの大学編入試験は、各大学が独自に課す「数学」「専門科目」「英語(TOEIC等のスコア換算)」および「面接」で実施されるケースが主流です。
大学編入のメリットは、多科目の共通テストを回避し、自らの得意な専門領域と数学にリソースを集中できる点にあります。さらに、大学ごとの試験日程が重複しない限り、「国立大学を何校でも併願できる」という制度上の優位性があります。
ただし、「裏ルートだから簡単」と考えるのは早計です。旧帝国大学の編入枠は各学科数名程度と非常に狭き門であり、高専内で上位5〜10%以内の成績(GPA)を維持し、早い段階から大学レベルの微分積分・線形代数・専門工学を独学を含めて極める必要があります。また、豊橋技術科学大学や長岡技術科学大学といった高専生を主対象とする国立大学への編入ルートも強固に確立されており、学究肌の学生にとって盤石のステップアップ構造が用意されています。