東方定助という男の最大の謎は、彼が最初から単一の人間として生まれたわけではない点にあります。物語中盤で明かされた東方定助の正体は、母親の病を治そうと奔走していた医師・吉良吉影と、彼を恩人と慕う青年・空条仗世文(くうじょう じょせふみ)の2人が融合した姿でした。
致死傷を負った吉良を救うため、仗世文は万病を治す奇跡の果実「ロカカカ」を自らと共に吉良へ投与します。その直後、東日本大震災によって隆起した震災遺構「壁の目」の地中に埋没したことで、土地が秘める特殊な等価交換エネルギーが発動。2人の肉体と魂は混ざり合い、吉良の記憶も仗世文の記憶も失った「第3の人間」として東方定助が誕生しました。
定助の瞳と舌に縦の継ぎ目があり、前歯のすき間や睾丸が4つあるという特異な肉体構造は、2つの肉体が文字通り半分ずつ統合された痕跡です。血統的には第4部の空条承太郎と東方仗助双方の要素を受け継ぐ、まさに運命の交差点に立つ主人公と言えます。