本作の監督を務めたのは、ミュージックビデオの世界で数々の名作を手掛けてきた夫婦監督コンビ、ジョナサン・デイトンとヴァレリー・ファリスだ。長編映画デビュー作となった本作で、二人は過剰な演出を削ぎ落とし、登場人物一人ひとりの泥臭い感情を画面に定着させることに成功した。
サンダンス映画祭でのお披露目当時、立ち上がったサーチライト・ピクチャーズが当時のインディペンデント映画としては異例となる高額な配給権を獲得したニュースは、映画界を大いに揺るがした。ハリウッドの巨大な資本論理に与せず、小規模な手作り感を保ちながら作られたインディペンデント映画が、結果として世界的なムーブメントを起こした背景には、二人の監督が貫いた強い美学と人間観があったのだ。