履正社が生んだ最大のアイコンといえば、東京ヤクルトスワローズの山田哲人を措いてほかにない。NPB史上初となる複数回のトリプルスリー(打率3割・30本塁打・30盗塁)達成という前人未到の偉業は、高校時代の弛まぬスイング探求から始まった。力任せに振り回すのではなく、ボールの内側にバットを入れ、インコースを鋭く打ち返す技術。その打撃メカニズムの基礎は、履正社時代に骨組みが作られたものだ。
一方、千葉ロッテマリーンズの主砲・安田尚憲もまた、同校が誇るスラッガーの代表格である。高校通算65本塁打を記録し、ドラフト1位でプロ入りを果たした安田は、打席での粘り強さと長打力を兼ね備える。二人に共通するのは、単なる「飛ばし屋」にとどまらない選球眼の良さと、相手投手の配球を察知する高い野球IQだ。先輩たちが築いたこの成功体験が、後輩たちの明確な指針となっている。