紙の発行部数が減り続ける未来において、毎日新聞社が描く生き残り戦略の主軸は「毎日新聞デジタル」を中心とする課金モデルの確立と保有資産の活用です。
同社はニュースアプリのUI刷新や有料記事の独自性強化に注力しています。調査報道や社会派スクープ、毎日映画コンクール、選抜高校野球大会(センバツ)や将棋の名人戦・本因坊戦といった伝統的な主催コンテンツを武器に、デジタル定期購読者をどれだけ積み上げられるかが勝負所です。
また、出版不況下において多くの新聞社を支えているのが不動産事業です。東京・千代田区の一等地に位置するパレスサイドビルなどの賃貸収益は、本業の報道部門を支える強固な防壁となっています。
毎日新聞が直面しているのは「廃刊」ではなく、「紙の新聞を主とするビジネスモデルの終焉」と「デジタル・不動産ハイブリッド企業への脱皮」という歴史的な過渡期です。今後、紙の朝刊の発行頻度見直しや完全デジタル移行が議論される可能性はありますが、報道機関としての看板が消滅するわけではありません。