お笑い界において、リズムネタは諸刃の剣だ。爆発的な認知度をもたらす反面、視聴者の「飽き」が訪れるスピードも早い。フレーズが一人歩きすればするほど、芸人本人の素の魅力やフリートークの腕を披露する機会は奪われていく。
過去十数年を見渡しても、リズムネタでブレイクした芸人の多くが、ブーム去りし後の生き残りに苦戦してきた。しかし夢屋まさるの場合、その「消費速度の速さ」を端から折り込み済みの変数として扱っていた節がある。ブームのピークを自らのキャリアのステップボードとして活用した事例は、芸能界の歴史においても極めて稀有だ。