当時、コマーシャルに出演するタレントといえば、爽やかなイメージを持つ美男美女が定番だった。しかし、キューサイ株式会社が白羽の矢を立てたのは、強面俳優たちを束ねるグループ「悪役商会」の結成者であり、数々の映画やドラマで強烈な悪役を演じてきた八名信夫だった。
悪役としてのイメージが定着していた彼を起用すること自体、異例中の異例。「強面のおじさんが顔をしかめて青汁を飲む」というビジュアルは、テレビ画面越しに圧倒的なリアリティを放った。嘘をつけない男が本音で語っているからこそ、視聴者は「本当に身体に良いのだろう」という妙な説得力を感じ取ったのである。