わき芽かきは、作業を行う「時期」と「天候」によって苗へのダメージが大きく変動します。きゅうりの茎は非常に水分が多く組織が柔らかいため、適切な手順を守ることが病原菌の侵入を防ぐ防壁となります。
わき芽かきを行う最適な時期と時間帯
わき芽かきの適期は、わき芽の長さが3cmから5cm程度に達したタイミングです。この大きさであれば、ハサミを使わずに指先で横に軽く倒すだけで「ポキッ」と簡単に折り取ることができます。
作業を行う時間帯は、必ず「晴れた日の午前中」を選んでください。午前中に芽を摘めば、日中の太陽光と風によって傷口が夕方までに素早く乾燥・硬化し、灰色かび病や軟腐病などの病原菌侵入を劇的に抑制できます。雨天時や湿度の高い夕方に作業を行うと、傷口から体液が流出し続け、感染リスクが跳ね上がるため厳禁です。
親づるの摘心と子づる・孫づるの剪定サイクル
きゅうりを長く収穫し続けるためには、主枝(親づる)の成長を適切に止める「摘心(てきしん)」が不可欠です。
- 親づるの摘心:親づるの先端が支柱の最上部(地上180cm〜200cm程度)に達したら、生長点を手で摘み取ります。これにより上方向への徒長が止まり、中位から上位の子づるへ栄養が一気に分配されます。
- 子づる(側枝)の剪定:6節以降から伸びた子づるは、実が1つ(または2つ)ついた先にある本葉を1〜2枚残して先端を摘心します。
- 孫づるの処理:子づるからさらに伸びてくる孫づるも同様に、葉を1枚残して摘心するか、株が混み合っている場合は基部から間引きます。
下葉かきのタイミングと病気予防
主枝が順調に伸びて収穫が中盤に入ると、株元付近の古い葉(下葉)は光合成能力を失い、黄色く変色してきます。この弱った下葉は、土壌からの泥跳ねによって運ばれる「うどんこ病」や「べと病」の発生源となります。
収穫を終えた節よりも下にある葉や、黄色く劣化した葉は、定期的に切り落とす「下葉かき」を実施します。目安として、地面から30〜40cmの空間には葉が1枚もないスッキリとした風通しの良い状態を常に維持することが、盛夏を越えて秋まで収穫を継続させる秘訣です。ただし、一度に大量の葉を落とすと株にショックを与えるため、1回の作業で取り除く葉は2〜3枚にとどめます。