この比類なき造形美と叙情性を早くから見抜いていたのが、映画監督の是枝裕和だった。東宝配給で大ヒットを記録した『海街diary』において、四女・すず役として抜擢された彼女の横顔を、キャメラは執拗なまでに美しく切り取っている。
鎌倉の風に吹かれながら水平線を見つめる横顔。台本を渡されず、その場の空気と直感だけで演じていた当時、彼女が見せた横姿には、少女特有の脆さと凛とした芯の強さが同居していた。所属事務所フォスタープラスが大切に育んできた原石の輝きが、名匠のレンズを通して一気に開花した瞬間だった。
是枝監督の現場で鍛え上げられた「語らずして伝える力」は、彼女の横顔に深い陰影を与えた。視線の先にある風景や、心の奥底にある寂しさを横顔だけでスクリーン全体に充満させる技術は、この時期にすでに完成されつつあったのだ。