沈黙の殺人者。高血圧症がそう呼ばれ続けて久しい。自覚症状が乏しいまま血管壁を痛めつけ、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中といった致命的なイベントを引き起こす。
厚生労働省が発表する国民健康・栄養調査の統計を紐解くまでもなく、国内における予備軍を含めた患者数は数千万人規模に達している。塩分過多の食生活や運動不足だけが原因ではない。深夜まで続くスマートフォンのブルーライトや職場での精神的重圧が、血管を収縮させる交感神経を常にオンの状態に固定してしまうのだ。
こうした状況下で、病気になってから治療するのではなく、発症や悪化を未然に防ぐ予防医学へのシフトが急速に進んでいる。日々の小さな異変に気づき、自らの身体を整える手段を持つこと。その最前線に位置するのが、道具も費用も必要としない経穴(ツボ)へのアプローチである。