「狸」の読み方はたぬきだけ?音読み「リ」の由来と「狢」の真相

「狸」の読み方はたぬきだけ?音読み「リ」の由来と「狢」の真相

「狸」の読み方はたぬきだけ?音読み「リ」の由来と「狢」の真相とはどのようなものなのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。

日本人の思考を長年混乱させてきたのが、「狸」と「狢(むじな)」の混同劇だ。「同じ穴の狢」ということわざがある。一見すると別種の動物が共通の穴に棲んでいるかのような印象を受けるが、歴史の実相はもっと複雑だ。地域によってタヌキを「むじな」と呼び、アナグマを「たぬき」と呼ぶといった言語の捩じれが方言の中に根深く残っていた。

大正時代に起きた有名な「たぬき・むじな事件」は、狩猟法の解釈を巡って最高裁判所にまで持ち込まれた。被告が「むじな」を捕獲したと主張したのに対し、検察はそれが法で保護された「たぬき」だと主張。罪刑法定主義の観点から歴史的な無罪判決が下り、行政や法制の現場を大いに揺るがした。言葉の定義が生命や権利を左右した象徴的な出来事である。

田中 結衣
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田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。