この思考様式の根底を理解するには、時計の針を20世紀初頭まで巻き戻す必要がある。スイスの精神科医カール・グスタフ・ユングが提唱した分析心理学、そして1921年に著した書籍『心理学的類型』こそが、すべての出発点だ。ユングは人間の意識の働きを精緻に観察し、直観や思考といった機能の組み合わせが個人の世界認識を根本から決定づけていることを見出した。
その洞察を実用的な枠組みへと再構築したのが、イザベル・ブリッグス・マイヤーズとその母キャサリンである。彼女たちが開発したマイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標(MBTI)において、INTJは「内向的直観(Ni)」を主機能とし、「外向的思考(Te)」を補助機能として機能させる構造として定義された。直感的に物事の背後にある本質的なパターンや未来の帰結を捉え、それを冷厳な論理で現実世界に具現化していく。この二重構造こそが、周囲から時に「血も涙もないチェスプレイヤー」と誤解される理由にほかならない。