香川県丸亀市山北町に位置していた丸亀ぽかぽか温泉が営業を終了した背景には、複数の経営的・物理的要因が複雑に絡み合っていました。地元で長年愛されていた施設だけに、閉館の一報が流れた際には「なぜ黒字に見える施設が閉まるのか」と大きな波紋を呼びました。
閉館の最大の決定打となったのは、開業から約18年が経過したことによる建物の経年劣化と特殊設備の老朽化です。スーパー銭湯は一般的な商業ビルとは異なり、ボイラー設備、ろ過循環システム、地下配管、特殊な防水層など、常に高熱と水分、薬剤に晒される過酷な環境にあります。これらの基幹設備が耐用年数を迎え、全面的な刷新には数億円規模の設備投資が必要となるタイミングを迎えていました。
運営を手掛けていたのは、四国を中心に多数の温浴・宿泊施設を展開する株式会社創裕です。同社は「ぽかぽか温泉」ブランドのポートフォリオ見直しを進めており、投下資本に対する長期的な回収可能性や、賃貸借契約期間の満了時期などを総合的に判断した結果、継続的な営業ではなく計画的な閉館を選択したというのが業界関係者および公開情報から導き出される実態です。