中央本線や信越本線が交差する長野地区、そして東海道本線が横断する静岡地区。この二つの主要エリアこそが、長年にわたり211系電車の主戦場であり続けた。しかし、各線区における運用の波紋は今、決定的な分水嶺を迎えている。
静岡エリアを管轄する東海旅客鉄道の路線網では、新型車両の投入完了に伴い、定期運用からの撤退が最終局面を迎えた。ロングシートがどこまでも続く独特の客室構造は、ラッシュ時の大量輸送において抜群の威力を発揮した。だが、時代の要求するバリアフリー対応やエネルギー効率の観点から、世代交代は避けて通れない現実となったのだ。
一方で、東日本旅客鉄道が主導する信州・甲州エリアでも運用数の削減が加速度的に進む。かつては高尾以西の中央東線を我が物顔で走っていた3000番台や1000番台も、今や運用ダイヤが厳密に絞り込まれている。沿線でカメラを構えるファンからは、日々その減少を惜しむ声が漏れる。