ネット上には一見もっともらしく語られながら、実際には機器の破壊を招く危険な「民間療法」が数多く出回っている。代表的な誤解を是正しておきたい。
筆頭に挙げられるのが「無水エタノールなら水分が残らないから大丈夫」という言説だ。消毒用エタノール(エタノール濃度約80%)と異なり、純度99.5%以上の無水エタノールは基板洗浄などに用いられるため安全と錯覚されやすい。だが、光学コーティングを侵食するのは水分ではなくエタノールそのものの有機溶剤作用だ。むしろ純度が高い無水エタノールのほうが、コーティングを瞬時に剥離させる危険性が高い。
また、「息を吹きかけて曇らせてから拭く」という昔ながらのメガネ拭き手法もNGだ。人間の呼気には微量の唾液や酸性成分が含まれており、画面上で不均一な乾き跡を残す原因となる。同様に、「セスキ炭酸ソーダや重曹スプレーで皮脂を落とす」という掃除ハックも厳禁だ。アルカリ性の液体はパネル表面のコーティング膜を激しく腐食させ、数時間後には白濁した斑点となって定着してしまう。