深夜、庭で芽を出させるための不思議な踊りを終え、翌朝目覚めたメイと姉の草壁サツキが庭へ駆け出すシーン。芽が出ているのを発見した二人が叫ぶ「夢だけど! 夢じゃなかった!」という快哉は、日本のアニメ映画業界の歴史においても屈指の名場面として数えられる。
この言葉は、単なる興奮の叫びではない。夢の世界と現実の世界が滑らかに交錯するファンタジーアニメの醍醐味を、わずか数秒で表現しきった奇跡的なフレーズだ。
大人になると「夢か現実か」を二項対立で捉えてしまいがちだ。しかし、幼少期においては、体験した神秘的な出来事の余韻こそが、現実以上のリアリティを持って心に刻まれる。サツキとメイが手を取り合って喜ぶ姿は、見る者すべての内側にある「忘れていた幼心」を容赦なく揺り動かす。