カードはもう要らない?オフィスセキュリティの罠と次世代の正解

カードはもう要らない?オフィスセキュリティの罠と次世代の正解

カードはもう要らない?オフィスセキュリティの罠と次世代の正解について専門的な視点から解説いたします。専門家の見解をご覧ください。

脱カード化への雪崩現象を引き起こしている決定的な要因は、物理的なカードが不可避的に抱え込む「見えざる脅威」だ。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)などが発する警告を見ても明らかなように、現代の侵入インシデントはネットワークの壁を越えるサイバー攻撃ばかりではない。落ちていたIDカードの悪用や関係者を装った侵入といった、古典的な「ソーシャルエンジニアリング」が未だ猛威を振るっている。

物理的な入館証は、一度落とせば第三者に社内へのフリーパスを与えるに等しい。防犯カメラの映像を追ったところで、カードに記載された氏名と実際に歩いている人物の一致をリアルタイムで見極めるのは不可能だ。アクセスログの信頼性は根底から揺らぐ。

管理部門にかかる重圧も深刻さを増す。入社時の発行手続き、部署異動に伴う権限の書き換え、退職時の物理回収。協力会社の出入り頻繁な現場であれば、担当者はカードの発行管理と台帳照合だけで年間数百時間を費やす。カード自体の部材費や専用プリンターのメンテナンス費用を含め、企業が負担する目に見えない損失は年間数百万円にのぼる。

高橋 健太
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高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。