座席選びひとつで、観劇体験の満足度は何倍にも変化する。多くの人が漠然と「S1席の前方中央」を狙いがちだが、演目ごとの演出特性を知り尽くしたコアなファンには、あえて狙うべき「神席」が存在する。
例えば、客席全体が舞台空間の一部と化す『キャッツ』においては、通路側の座席(通称・通路横席)が絶好のポジションとなる。作中、劇中人物(猫たち)が客席の通路を縦横無尽に駆け巡り、観客のすぐ目と鼻の先で歌い踊るからだ。また、舞台全体を包み込む光の演出や群舞の完璧なフォーメーションを堪能したいなら、1階後方や2階席の最前列(S席・A席)がベストな選択となる場合もある。音響のバランスが最も美しくブレンドされる「音の特等席」もまた、この中層ゾーンに潜んでいる。