南海電鉄やJRが交差する新今宮駅を下車して南へ歩くと、一目瞭然の景色が広がる。長年この街の雇用と福祉の象徴であり続けた「西成労働福祉センター」の建て替え事業をはじめ、周辺では大規模な不動産再開発が加速してきた。老朽化した建造物が次々と解体され、新たな複合施設やスマートなインフラへと姿を変えつつある。
かつて早朝から求職者と手配師で溢れかえっていた駅前の景色は姿を消した。高齢化が進んだ元労働者への福祉支援が手厚くなる一方で、空き店舗や遊休地に民間資本が雪崩を打って参入している。街の骨格そのものが、労働の拠点から多様な人々を受け入れるオープンな都市空間へと構造転換を果たしているのだ。