1999年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された際、海外の批評家たちは一様に驚きを隠せなかった。『ソナチネ』や『HANA-BI』で見せた鋭利なバイオレンスを期待していた観客の前に提示されたのは、あまりにも滑稽で、哀しく、美しい日本の夏だったからだ。
そして2026年現在、海外映画界における再評価の波はさらに高まっている。欧米のシネフィルやアジアの若者世代の間で、SNSやシネマ系メディアを通じたクリップ動画が拡散され、「心傷ついた現代人を癒やす最高峰のロードムービー」として再発見されているのだ。過剰なCGや劇的なドラマツルギーに頼らず、人間のくだらなさと愛おしさを淡々と描いた静かな視点が、デジタル疲弊の時代を生きる世界中の映画ファンの琴線に触れている。