日本からの渡航者や現地滞在者のリアルな証言を検証すると、ネット上のセンセーショナルな画像と現場の実情には大きな認識のズレがあります。
秋から冬にかけてベネチアを訪れた日本人旅行者からは、SNSや旅行コミュニティで次のようなリアルな体験談が寄せられています。
「朝、街中に不気味なサイレン(潮位警報)が響き渡ったときは何が起きたのかと焦った。数時間後、サン・マルコ広場が巨大な鏡のようになって幻想的だったが、スーツケースを引いて歩くのは完全に不可能だった」
「露店で売っている10ユーロのペラペラなビニール靴カバーを買ったら、歩き始めて15分で底が破れて靴が海水浸しになった。石畳を歩くなら絶対にちゃんとしたレインブーツが必要」
潮位が上がると、主要な歩行ルートには「パッセレッレ(Passerelle)」と呼ばれる仮設の高床木製通路が市職員の手で素早く設置されます。歩行者はその通路を一列になって進むため、名所周辺は大渋滞となります。水が引けば何事もなかったかのように通常のカフェテラス営業が再開されますが、浸水中の1〜2時間は移動の自由が大きく制限されるのが現場の実態です。